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2019年7月1日

「セミナーをやってみたいけど、どうやったら良いのかわからない・・・」という悩みを抱えていませんか?新規開拓営業のアプローチにバリエーションを持たせる意味でも、セミナー営業は有効なセールス手法です。しかし、そこでは事前の準備や集客が必要になることから、初めての開催となるとなかなか手間がかかりますよね。

そこで今回は、初めてセミナーを開催する方にお役立ていただけるように、「セミナー営業のポイント」を纏めてみました。

■セミナー営業は「1対Nで効率的にアプローチできる営業活動」

プレゼンテーションが一人でも複数人・複数社を相手に、リアルの場で啓蒙することができることがセミナーの特徴です。よく見受けられるセミナーの趣旨は、大きく分けると以下3つがあります。

セミナー営業活動の目的
パターン① 新規の接点作り:新規顧客開拓、新規パートナー開拓
パターン② 接点顧客の育成:過去取引顧客の掘り起こし、未取引接点顧客の育成
パターン③ 取引顧客のフォロー:顧客満足度向上・リピート率向上、クロスセル提案機会創出

上記のいずれの場合も、最終目的は「売上に繋がること」に変わりはありません。しかしながら、どの営業活動のためにセミナーを開催するかにより、設定すべき指標(KPI)がそれぞれ違ってくるため、重要指標を念頭において準備を進める必要があります。

パターン①:「新規の接点創り」が目的の場合

セミナー担当になった方の重要指標は、「集客総数」と「来場数」となります。営業対象顧客との新規接点が目的であるため、集客総数以外には、どれだけ営業対象顧客が集客できたかを測る「ターゲット含有率」と、どれだけ話しを聞いてもらえたかを見る「来場率」を重要視します。
「来場数÷集客総数」で示される歩留まりは、当社が以前実施したセミナーの数値が参考になるはずです。18:00以降開催の弊社単独セミナーでは、参加者の歩留まりは、70%前後でした。(例えば、事前に50名申込があったとしても、当日来場は70%の35名程度になるため、この歩留まり率を集客計画で入れておく事が大切です)

ここで新たに創られた接点を元に、ホワイトペーパー配布やコンテンツ配信を行い、リード育成(リードナーチャリング)を図ることが定番のパターンです。来場者のニーズが顕在化し、商談へと駒を進められるかどうかは、参加者の状況にもよるため、ここで焦らずにコミュニケーションを続けることが重要と言えるでしょう。あくまでも「新たな接点創り」と割り切って、来場者の役に立つコンテンツとは何か、を追求し、コミュニケーションを進めることがポイントです。

パターン②:「接点顧客の育成」が目的の場合

続いて、「接点顧客の育成」が目的のパターンでは、「商談数」が主な成果指標になります。特に、既に接点を持っている企業を集客対象母数としている場合、「集客総数」や「来場者数」はそれほど重要ではありません。あくまでも、どれくらいのニーズの掘り起こしができたのか(いかに、潜在ニーズを顕在化させることができたのか)という視点で考え、セミナー講演内容をふまえた上での「商談数」をウォッチすることが大切です。

「商談数」を成果指標として図る一方で、参加者から見える次のステップは柔軟に考える必要があります。例えば、導入事例を細かにアピールすることで特定業種の商談数UPを狙ったり、システムのデモンストレーションを強化して来場者を誘導していく、などの手法が考えられます。

パターン③:「取引顧客のフォロー」が目的の場合

「取引顧客のフォロー」を目的とするパターンでは、セミナー参加自体が、立ち話や相談事を持ちかけられる機会に変わります。いわゆる、その場で商談が行われるケースです。そのため、「フォロー機会数」、「他サービス紹介数」を重要指標として位置付けるなど、より細かなアクションに落とし込んだKPIが求められます。ここまでくると、SFAを活用した細かな情報共有も同時に必要になってくると言えるでしょう。

このように、セミナー一つとっても、様々な目的や成果指標(KPI)の測り方があります。どのパターンに注力し、その成果を図るべきか、事前に意思決定を行ったうえで、次のステップへと進んでいきましょう。

■魅力的な「セミナーコンテンツの作り方」

続いて、セミナー集客における「セミナーコンテンツの作り方」についてご紹介します。営業プロセスで用いるコンテンツは多種多様で、課題解決型から事例紹介型などがあります。しかし、それらコンテンツの制作プロセスが大きく変わることはありません。基本的なセミナーコンテンツ作りの流れは下記の通りです。

<コンテンツ作りの流れ>

それでは、コンテンツ作りのひとつひとつの過程の詳細をみていきましょう。

■①ターゲット設定

セミナーコンテンツを作る上で最も重要なのが、「セミナーに呼び込む人がどのような人たちか」です。集客元リストの大多数の特徴をつかむことによって、コンテンツ構築していくと集客が格段にしやすくなります。ターゲット設定をする際には、
次にある「基本情報」と「抱えているニーズ、または課題」を意識して設定しましょう。

例えば前者の「基本情報」は、「年商20億円以上の製造業、企画職の部長クラス」という具合に、統計的なデータから得られる情報やある程度定量的に掴むことができる情報です。このあたりは、営業スキルの熟練度に大きく左右されることなく取得できる情報と言えるでしょう。一方で、後者の「抱えているニーズ、または課題」については、いわゆる「サイコグラフィックデータ」とは心理的な変数のことを指しており、例えば、「●●に課題を持っており、来期には新たなソリューション導入による解決を目指している。部署の予算の都合上、初期コストを押さえたいと考えており、導入時のサポートの手厚さを重要視している」というように、価値観や商品の選定軸を意味しています。

これらを仮定してペルソナを設定した上で、彼らが関心を抱くであろうセミナータイトルを思案します。

■②セミナータイトル設定

興味を惹きつけるポイントなので、ペルソナが最も興味の持ちそうな内容を端的に伝えられるように考えます。タイトルは、集客時に何度も繰り返し露出することになりますので、時間をかけて考える価値があります。

一例として、ターゲット層の特徴と「セミナー」というキーワードを組み合わせて検索することで、ターゲット層が「自分ごと化できる要素」をリサーチする手法があります。具体的には「集客に悩みを抱えるセミナー担当者向け」という具合です。そして、そのターゲット層が「メリットを感じる要素」を組み合わせることで、より高い効果が期待できるセミナータイトルが仕上がります。

■③セミナー概要設定

タイトルで一度興味を惹かれた人が見るのが、「セミナー概要」です。セミナー当日に何を講演するのかを要約して明示することで、申込者は自分が求めている内容か否かを判断することができます。

セミナーによっては、他社と共同でプログラムを決めたり、場合によっては専門家や有識者の登壇をセッティングしたりしているケースもあります。いずれも、セミナーの文脈と予算感を踏まえて、設定していきましょう。

■④規模設定

自社運営できる適切なセミナーの形を決めます。定員数・予算感・参加費用についてそれぞれのポイントは以下です。

定員数
 ☑定員を集客時に示すことにより、申込率高くなる傾向があります。当日の会場をある程度満たすために、集客可能な定員数を定めましょう。
予算
 ☑セミナーの趣旨にもよりますが、自社で完結できるものであれば、ほとんどコストをかけず開催することができます。
一般的なリソースリストと選択肢
 ・会場:自社内、共催企業社内、外部会場
 ・集客:自社リスト、共催企業リスト、外部メディア
 ・講演者:自社社員、外部講師
 ・当日スタッフ:自社社員、外注スタッフ
 ・資料印刷:自社内、外注
 ・ノベルティ:なし、自社販促物、外注
参加費用
 ☑有料と無料のものが考えられますが、セミナーの趣旨に合わせて決めます。
  有料の場合、参加者の本気度は高い状態ですが、その分集客は難しいことを予め念頭において準備する必要があります。

■⑤会場設定

会場はセミナーの趣旨や集客ペルソナに合わせて適切なものを選びます。
いずれの場合も共通する満足度のポイントは下記です。

会場
 ☑交通アクセスの良さ
 ☑集客人数に対するエレベーター収容人数やトイレの数
  ※足りない場合、セミナー開始時間や休憩 時間の延長を招く可能性があります。
会場内
 ☑スライドを映す場所
 ☑空調
 ☑音量
 ☑テーブルやイスの間隔

■⑥日時設定

開催日時は集客に大きく影響する場合があるので、集客ターゲットや業界のイベントなどを考慮して設定します。

一般的に避けたい日時
 ☑週明け、月末、年末、午後一
 ☑業界のイベントがある期間
比較的集客しやすい日時
 ☑直行、直帰ができる時間帯(=参加率が向上)
 ☑業務時間終了後の勉強会(=歩留まりの向上)

高い成果をもたらすセミナーは、一貫したコンセプトに基づいて今回ご紹介したプロセスが構築されています。例えば、パターン①で記載した「新規の接点創り」が目的のセミナーであれば、初めて来場される企業様が関心を持ちやすいコピーを用いて、ラフな形でのセミナー風景を演出することが重要となるでしょう。そして、過去のセミナー参加者の評価や声を押し出して掲載し、開催日時も柔軟に設定する必要があるはずです。加えて、会場の場所も自社にこだわらず、可能な限りアクセスの良い会場を選ぶべきでしょう。もちろん、会場の利用コストもかかってくるため、営業プロセスとの兼ね合いも見て、集客を行う必要性は出てきます。

一方で、「接点顧客の育成」が目的の場合には、「数」よりも「質」が重視されるため、会場の雰囲気やコミュニケーションの質などを重要視したスタイルが望ましいと言えます。個別相談などの時間を用意して、商談化まで導くことも大切です。

これらの内容を踏まえて、実際のセミナー集客へと移っていきます。集客に関しては、本記事の<後編>をご覧ください。

2019年6月24日

様々なマーケティングツールが普及している今、営業部隊の現場に SFA(Sales Force Automation)が導入されることも一般的になってきました。しかし、それらのツールが十分に活用されず、「営業進捗のシステム入力」がただのルーティン業務になってしまうことも珍しくありません。そもそも、日本ではSFAのような営業支援ツールは浸透しづらいと言われています。この背景には、どのような要因があるのでしょうか?

SFAが日本に上陸した経緯

アメリカで誕生した後、1990 年代後半になって日本国内で普及し始めた SFA。当時、精神論やガンバリズムが蔓延っていた日本の営業部隊では、魔法の道具のようにもてはやされました。しかし、その効果が得られたのは、ほんの一部の企業のみ。その原因は、日本と海外企業の商習慣の違いにあると言われています。

例えば、契約社員が多く離職率も高い米国企業においては、SFAを使った営業プロセスの標準化・効率化は、いわば必然的な流れでした。また、マーケティング担当者がセールス担当者を管理・自動化することは、マーケティング戦略を展開する上で合理的なものと考えられています。一方で、高度経済成長期を乗り越えてきた多くの日本企業には、海外企業のように合理性に基づいた営業スタイルは根付いていません。つまり、SFAが普及する以前からあった、日本のビジネススタイルに大きな違いがあったのです。

SFAと顧客管理の違い

SFAが思うように浸透しない一方で、日本において江戸時代から定着していた概念があります。それが「顧客管理」です。かつて「大福帳」と呼ばれていた顧客管理台帳は、江戸商人の大切な資産となっていました。火事になった時には、真っ先に大福帳を持ち出し、川に投げ込んだとも言われています。大福帳が水に濡れても記載事項が消えない状態であったことは、言うまでもありません。

このような起源を考えると、顧客管理システムを意味するCRMが日本企業の商習慣に根付いたのは、必然と言えるかもしれません。お客様との取引の履歴を言語化して残しておけることは、組織の営業力を向上させることに直結するのです。では、このような前提を踏まえつつも、なぜSFAが浸透しなかったのか、その背景を探ってみましょう。

SFAが浸透しない最も大きな理由

日本企業における営業マンというと、企業の売上を上げる主力部隊と考えられているケースが多く、システムによって管理されることを嫌う傾向にあります。特に、マーケティングという文化が定着していない企業では、営業部門自体が「特定の営業マンの能力や経験・人脈」に依存しており、属人的な営業が横行しています。

このような特徴が見られる企業において、突然SFAを導入しようとしても、決して望ましい結果は得られません。市場に海外製のSFAが多く出回っている今、SFAを営業部隊に浸透させるためには、日本の慣習を踏まえた活用フローの確立が必要なのです。

SFA普及の勘所

米国のSFA ×日本の商習慣
=日本版SFAの確立へ

営業部隊にSFAを活用してもらうためには、いくつかの熟慮すべきポイントが存在します。SFAは基幹システムや会計システムとは異なり「例え使わなくても(情報を入力しなくても)業務は継続できる」という特徴があります。そのため、出だしで躓いてしまうと、もう二度と使われなくなってしまう恐れがあるのです。多くの企業が導入プロセスに失敗してきた経緯を踏まえ、同じ轍を踏まないようにしたいものです。

今回は、特に重要な3つのポイントに絞ってご紹介します。

SFA導入のポイント①導入目的や狙いを十分に共有する

1つ目は、導入目的を明確にすることです。SFAを使おうとしない営業マンの多くは「顧客訪問や提案準備で忙しいのに、何で業務を増やさないといけないのか?」「そもそも何のために情報を入力するのか?」「入力をさぼっても、売上や評価には影響しないのでは?」という不満を抱えがちです。

特に、導入の経緯を知らされないまま「今日から商談履歴を入力してください」と突然指示が下った場合、多くの営業マンは短期間でSFAから離れていきます。SFAを十分に利用してもらうためには、企業や部署が掲げる方針や、営業マンが抱えている目標達成に対してSFAがどのように関係するのか、きちんと説明することが重要です。

SFA導入のポイント②入力の項目を絞り、利用負荷を減らす

2つ目は、SFAへの入力作業が楽に行えるようにすることです。営業プロセスや商談の情報共有を目的にする場合、「顧客情報」に加えて「商談進捗」「提案内容」など細かな入力を営業マンに求めがち。しかし、これらの入力項目を増やしすぎると、営業マンは「営業効率を上げるための SFAなのに、逆に業務が非効率になっているのではないか…」という疑念を抱きかねません。

大切な点は、目的に沿った項目に絞った入力項目を絞り込むこと。入力必須項目は可能な限り少なくして、柔軟性のある運用を行いましょう。

SFA導入のポイント③入力結果が活用されるシーンを増やす

3つ目は、SFAに入力したデータが活用される場を増やすことです。本来、SFAに入力されるデータは分析・共有されて初めて、その役割が果たされます。高い能力を持った営業マンの知恵やノウハウが組織に還元されてこそ、SFAを導入した意味が出てくるのです。しかし、多くの企業は「データの活用」に対して、十分な戦略を立てていません。営業部隊が一丸となって「この営業活動の成功要因を横展開できないか?」「この商談のボトルネックを解消するにはどうすればよいか?」といった課題解決に取り組むからこそ、SFAの真の価値が見出されます。

SFA を導入する以上は、営業部隊、延いては社内に SFAを浸透させ、何らかの事業の成果に繋げることが求められます。そのためにも、システムやツールを使うのみならず、チームミーティングや会議、営業部隊の評価制度に SFAのデータを活用し、その入力結果がリアルの場に活かされる仕組みづくりが必要です。

続いて、SFA導入で失敗しないために求められる3ステップをご紹介します。

SFA導入に向けた3ステップ

SFA導入で失敗しないためには、関係者の目的意識を統一し、運用サイクルに各人を巻き込むことが求められます。もちろん、SFAとの関わり方は役職や業務内容によって異なるため、細かな調整が必要です。しかし、SFAの肝は「機能や仕組み」ではなく、そこに蓄積された「データ」そのものにあるため、積極的にデータを入力・活用してもらうことがSFA導入の成功には欠かせないのです。

そのために必要なステップは次の通りです。

ステップ①:導入前に現状課題と導入目的を社内共有

前述のように、「導入目的や狙いを十分に共有する」というプロセスは欠かせません。だからこそ、具体的にどのような課題が発生しており、その解決策として何故SFAが必要なのか、社内の関係者に広く周知しましょう。場合によっては、SFAへのデータ入力・活用のデモンストレーションを行ってもいいかもしれません。

加えて、導入メリットをきちんと提示し、具体的なスケジュール感も共有していきましょう。例えば、社内の繁忙期と重なってしまった場合には導入後の活用が困難になりますし、他のシステムのリプレースと重なってしまうと、SFAの活用がなおざりになってしまうことも考えられるからです。

ステップ②:導入過程で要件定義に現場責任者を同席

現場で使ってもらえるSFAを導入するためには、現場責任者や営業マンの声が欠かせません。ポイントの2つ目で「入力の項目を絞り、利用負荷を減らす」と述べたように、現場の運用に耐えうるSFAを構築するためには、日々のデータを入力しやすい仕様にすることは極めて重要です。

そのような意味で、SFAの導入過程では、営業現場の責任者や営業担当者の意見を聞きながら、その仕様を確定させるようにしましょう。仮に導入後に仕様の変更が必要になった場合にも、予め営業部門を巻き込んで導入プロセスを進めることで、納得度が高く、後に協力を得やすい体制が出来上がっていきます。

ステップ③:導入後の活用サポートの体制を確立する

SFAの導入後には、運用サポートの体制を整えて活用を進めていきます。ここでのポイントは「不明点はこちらに連絡してください」という案内にとどめないことです。SFAを使っている営業マンに疑問点や不明点が出てきてからサポートに連絡を入れることも大切ですが、本当にSFAを活用してほしいのであれば、未然に疑問や不明点が発生しないように定期的なフォローを能動的に行うことが求められます。

例えば、SFAのシステムを運用する上でのデータマネジメントのフォローを行わなければ、顧客の商談状況を検索しようにも適切な情報抽出ができなかったりします。他にも、営業アプローチの履歴を俯瞰的に分析し、今後の改善ポイントを定期的に棚卸しすることも必要になるでしょう。他にも、部長クラスのマネジメント層であれば、管理している案件を確度別・受注金額別に分析し、社内会議での報告事項とするケースも考えられます。そのような際に、適時適切な分析手法を用いることができるかどうかは、そのSFAのフォロー体制を事前に確立しているかどうかに関わってきます。

このように、SFAの導入前後では様々な観点から工夫と配慮が必要になります。だからこそ、情報を広く集め、不確実要素を事前に潰し込んだ上で、導入プロセスを進めるように心がけましょう。

最後に、様々なSFAが普及する今、+αで他社に差を付けるためのエッセンスをご紹介します。

MAと連携することで、営業部隊に活用されやすいSFAに

新規営業を行う営業マンにとって SFAは「顧客とのアポイントを獲得して、訪問した後に入力するツール」です。しかし昨今、見込み客の育成活動にフォーカスした MA(マーケティングオートメーション)と連携する SFAも増えてきています。営業マンがホットリード(購買意欲が高まっている顧客)にアプローチしやすい仕組みを整えるためにも、SFAなどの仕組みをとデータを十分に活用し、効率的な営業スタイルを確立することが求められているのです。

営業マンの本来の役割を突き詰めて考えると、それは「顧客の潜在課題の発見」と「提案による顧客価値の創出」ではないでしょうか。そのように考えたとき、いわゆる「管理」と呼ばれる要素や「顧客育成」といったプロセスは付随的なものであるはずです。テクノロジーが発達する今、そのような要素をいかに自動化し、営業マンの本業回帰に貢献できるSFAが求められているのです。

2019年6月17日

新規開拓営業を行う部隊であれば、必ずと言っていいほど行われている「営業会議」。売上の獲得が営業マンの使命である以上、会議の主題が数字にまつわるものになることは致し方ないかもしれません。しかし、その会議は果たして生産性の高い場になっているでしょうか?

働き方革命の最大のテーマである「生産性の向上」が求められるのは、営業チームも例外ではありません。今回は、営業会議の生産性について見ていきましょう。

■生産性が低い会議の典型的なNG例

営業会議というと、何か具体的なモノをつくる場ではありません。しかし、そこにも「生産性」という概念は存在します。最もオーソドックスな測り方は「投入された時間(会議の時間×参加者人数)」に対して、どの程度の価値が創出されたか、というものです。

この観点に基づいて考えたとき、多くの会議があまり生産性を発揮できていないことがわかるはず。それはすなわち、投入した時間に対して十分に創造的、かつ生産的なアウトプットが得られていない、ということを意味しています。

そもそも、複数名が同時に時間を揃える必要がある「会議」という仕組みは、生産性を高めづらいものでもあります。何故ならば、アウトプットが不明確であるにも関わらず、参加者は一定の時間をまとめて差し出さないといけないからです。しかし、そんな高コストを払うからには、そこまでして開催しなければならない理由があるはずです。事実、会議という場で集合知を働かさなければ成立しない議題も多く存在します。

その一方、基本的な事項が欠け落ちていたことが原因で、会議の生産性を著しく低下させてしまったケースも見受けられます。よく見かけるのは、次の5つの典型例です。

ケース① 事前の情報周知・共有が不十分

「会議の日時と場所、ざっくりとしたテーマだけ決まっているけど、それ以上の内容は事前に知らされていない」こんなケースは多くの企業で見受けられるのではないでしょうか?事前に詳細なアジェンダが周知されていないと、参加者は受け身になりがちです。そのような姿勢で臨んだ会議から新たな価値が生まれないことは、誰の目にも明らかです。

予め周知された情報を元に仮説設定を行い、アイデアや有益な情報を持ち寄ってこそ意味のある会議になる、という大前提を忘れているケースはあまりにも多いといえます。

ケース② 議論を交わすための場づくりができていない

「個人の案件営業進捗からチームの売上に至るまで、会議が始まる直前まで更新が続いており、会議が始まるまでは内容を把握することができない・・・」。このように、金額の集計に時間がかかる場合、会議自体が「数字の報告会」になる傾向があります。会議の中で双方向性のない報告事項が続いてしまうと、活発な議論に費やせる時間はあっという間に失われてしまうため、注意が必要です。このような状況が慢性的に続いている組織では、会議の意味や会議以外の手段の模索が失われていると言えるでしょう。

ケース③ 議論の内容を「見える化」するための仕組みが用意されていない

営業会議を生産性の低い時間にしないために求められる改善点は、極めて基本的なものばかり。しかし、これらの基本ができていないならば、その会議は生産性の低い無駄な時間になりかねません。ひとつずつ着実に、見直していきましょう。
せっかく長時間の議論を重ねても、その過程を振り返りながら進められないと、生産的な議論を行うことはできません。発散的にアイデアを出し合うことと、テーマから逸れた議論に時間を割くことは、大きく意味が異なります。だからこそ、「今何について議論をしているのか?」「これまでにどんな議論がなされ、次にどんな発言をすべきなのか?」という点は、誰もが見えるようにしておく必要があります。例えば、ホワイトボードを使った会議は「見える化する」という観点から、理にかなった仕組みであると言えます。

特に専門性の高い分野の議論を重ねたり、新しいトレンドを踏まえたディスカッションをしたりする上では、内容の見える化は欠かせません。会議に参加したメンバーの集合知の力を発揮するためにも、議論の過程を可視化する会議体は極めて重要です。

ケース④ 会議のゴールが明確化されていない

会議を行った末にどのような目的を果たしたいのか、あなたが参加している会議では明確化されていますか?多くの参加者を募り会議を行う以上、そこでは何らかの問題解決、もしくは価値の創出が行われるはずです。参加者全員が「この会議では、何の問題・課題をクリアするために行われているのか?」「この会議を通じて、どのような価値を生み出そうとしているのか?」という問いに答えられない場合、その会議の開催意義は危ぶまれていると言っても過言ではないでしょう。

どの会議にも本来、何らかのゴールが存在しています。問題解決や価値創出の方針を決めることで、次のアクションを決定し、目標値や期限を設けて次の会議へと繋がっていきます。この道筋が意識されて初めて、会議の存在意義が明らかになっていきます。

ケース⑤ 毎回の会議でPDCAサイクルが回されていない

会議の内容のみならず、その運営や進行方法も絶えず進化させなければ、その価値は薄れていきます。何故ならば、営業に求められる役割やミッションも日々変わっていくからです。短期的に売上を確保しなければならないのであれば、その目的に合った会議体と進行方法を模索し、中長期視点で営業戦略を考えるならば、より高い視座から発散的に議論できる進行プロセスを考えなければなりません。

もしも、あなたの会社が上記5つのようなケースに該当するのであれば、できる限り早い対処が必要です。具体的な改善方法としては、次にあるような手法が挙げられます。

■会議の生産性を上げるために求められる5つの改善点

ある程度柔軟な進行を許容しつつも、会議全体の道筋を決めることは極めて重要です。会議の生産性を強く意識する企業では、スライドでストップウォッチを投影し、経過した時間を全員で共有する、といった取り組みも行われているほどです。アジェンダを作成し、事前に参加者間で共有する習慣を作りましょう。

①報告事項を事前にメールで共有する

各自の売上や営業進捗をひたすら口頭でプレゼンテーションする、という営業会議も存在しますが、メリハリのない会議内容ほど生産性の低いものはありません。そもそも数字の共有であれば、メール1通で済むはずです。対面でなければ議論できない内容を吟味し、会議の時間を有効活用する視点こそが求められています。

また、営業課題や解決が必要な事案を取り扱う場合、2~3日前くらいまでにはその内容を周知し、知恵や好事例を準備してもらう必要があります。簡単に解決策が出てこない事案であるほど、各自の良質な準備が欠かせないからです。

②「全員参加」という前提を再考する

会議の内容によっては、営業マンが全員参加する必要はないかもしれません。「自分には関係のない議題だ」と感じている営業マンが増えるほど、主体性な参加者が少ない会議になってしまいます。「とりあえず参加しておこう」という出席者の比率が増えるほど、会議の場は硬直的で活気のない空気に覆われるようになっていきます。そのような風土や空気が組織に常態化してしまうと、会議という時間の持つ価値がみるみるうちに落ちて行ってしまうのです。

議題に応じてフレキシブルな参加を許容するなど、参加のルールと定義を見直してみましょう。組織や事業の目的達成とは直接関係しない会議に「参加義務」が生じているとするならば、その会議の開催意義を問い直す段階に来ていると言えるでしょう。

③会議のアジェンダを細かに作成する

ある程度柔軟な進行を許容しつつも、会議全体の道筋を決めることは極めて重要です。会議の生産性を強く意識する企業では、スライドでストップウォッチを投影し、経過した時間を全員で共有する、といった取り組みも行われているほどです。アジェンダを作成し、事前に参加者間で共有する習慣を作りましょう。そのうえで、「会議全体のアジェンダに対して、今どこまで進んでいるのか?」ということが可視化できる会議環境を構築することが重要です。

④配布資料を無くす

議論を行うための会議で、大量の配布資料は果たして必要でしょうか?限られた時間で要点をプレゼンし、補助的に資料をプロジェクター投影する、という形でも会議の目的は果たされるはず。場合によっては、アジェンダ以外の資料を無くして、ホワイトボード上に情報を記載し、共有する手法を検討してもよいかもしれません。

配布資料はアジェンダ程度にとどめ、参加者に伝える情報は事前にメール共有、もしくはプロジェクターで投影しましょう。これらの準備時間も会議のうちに含め、シビアに生産性の評価をしてみることで、参加メンバーの価値観も徐々に変えられるはずです。

⑤スタンディング形式の導入を検討する

「どんな手法を試しても、メリハリのない会議がダラダラと続いてしまう」という場合には、スタンディング形式の会議も有効です。必然的に長時間の会議は行いづらくなります。「じっくり話しながら議論したい」という声もあるかもしれませんが、重要度と優先度を決めなければ、いくらでも会議の議論材料は出てきてしまうもの。限られた時間内でどれだけの価値を生み出せるか、そんな制約の中で日々業務に取り組んでいることを強烈に意識することが大切です。

■定着に向けた定期チェックが改善の鍵

営業会議という場に費やす「時間の長さ」は、必ずしも「生産性の向上」には繋がりません。一方で、会議の時間が長時間化することは、営業生産性の低下へと着実につながります。会議の成果に着目しつつPDCAを回すことで、まだまだ会議の価値は向上させることができるはずなのです。

営業会議に課題感を感じる方は、次のチェックリストを元に定期的に見直しを行ってみてください。無意識的に行っていた習慣を定期的に見直していくことが、生産性の低い営業会議を是正するための一番の近道になります。潜在的な課題を見える化し、社内で共有することで認識統一を図ることが、会議の生産性をUPさせるための第一歩です。

<当てはまる点は即改善を!非生産的な会議を生み出すネガティブ・チェックリスト>

[ ] 会議中、メールで共有すれば済む程度の報告事項を話し続けている
[ ] 営業会議自体が売上等の数字の共有会になっている
[ ] そもそも議論することが念頭に置かれていない
[ ] 会議の議事次第やアジェンダが存在しない
[ ] 議事次第やアジェンダに、各パートの所要時間が明記されていない
[ ] 会議資料の準備に時間がかかり、議論の準備には時間を割けない
[ ] 発言の機会もなく、何故参加しているのかわからない出席者がいる

2019年6月10日

毎日懸命に営業をしているけど売上が作れない、顧客との関係は良いのに成約に至らない、このような悩みを持つ企業は少なくありません。特に、中小企業や少ない人数で営業をしなければならない場合は、焦りが募り、余計に営業に集中できなくなるという悪循環に陥ることもあります。この記事では、中小企業の営業課題を解決し、効率化を図るためのコツを3つに分けてご紹介します。

営業の好循環を実現するためのサイクルとは?

営業で成果を上げるための基本的な考え方と言えば、「営業アクションの量×質を最大化する」ということが挙げられます。しかし、そのサイクルも正しい認識の元に回さなければ、成果には至りません。基本的な要素としては、次の図にあるように「戦略立案⇒自社の情報発信⇒営業アプローチ・顧客の情報管理⇒検証と改善」という順序をたどります。

これらの要素について、一つずつ見てみましょう。

まずは「自社の情報発信」をしよう

営業をする際は、顧客に対して自社製品の説明をしなければなりません。特に、新規顧客を開拓する場合は、顧客が自社製品にどれだけの興味があるのかがわからない状態で説明をする必要があります。せっかく時間をかけて説明しても、顧客の興味を引くことができなければ、時間を無駄にすることになってしまうのです。このような事態を避けるためには、事前に自社製品の情報を公開しておくことが大切です。つまり、こちらが営業をかける前に、顧客が自ら自社製品の情報を得られるように環境を整えるのです。

「CEB Marketing Leadership Council」の調査によると、次のような事実が明らかになっています。
“B2Bの購買担当者は、営業担当者と接触を図る前段階で、意思決定のプロセスを57%済ませている”

出典:https://www.cebglobal.com/content/dam/cebglobal/us/EN/best-practices-decision-support/marketing-communications/pdfs/CEB-Mktg-B2B-Digital-Evolution.pdf

加えて、市場リサーチの情報を提供するThink with Google からは、「The Changing Face of B2B Marketing」というタイトルで、次の調査結果が示されています。“B2Bの購買担当者の90%はオンラインの検索機能を使用し、特定のブランドを支持するまでに平均12回の検索を行っている”

出典:https://www.thinkwithgoogle.com/consumer-insights/the-changing-face-b2b-marketing/

テレアポ一つとっても、一度アポイントを断られた後、もしくはアポイント獲得後に、対話した相手は自社のことを調べている可能性があります。その時に、適切な情報発信がなされていなかったらどうでしょうか?その内容や状況によっては、貴重案営業機会を逃してしまうことを意味します。すなわち、テレアポを軸にしたセールスであっても、自社の情報発信は欠かせないのです。

具体的な情報発信の方法としては、この記事のようにビジネスブログが便利です。ビジネスブログでは、自社製品に関する情報や、それに隣接する情報を発信します。発信する情報の内容は、単に自社製品を説明するのではなく、できる限り人の役に立つようなものにすることが大切です。例えば、自社製品はどのような活用方法があるのか、どのような悩みを抱えている人に有効であるのかといったことを分かりやすく解説します。また、ブログだけでは、自社製品の成約に至らないことが少なくありません。そこで、一定の見込み顧客数が蓄積された際、メールマガジンを使って、継続的な関係の構築を目指します。ビジネスブログは訪問者を待つことしかできませんが、メールマガジンであれば、こちらから顧客にアプローチすることが可能です。定期的にメールを送信すれば、自社製品のPRができるだけでなく、顧客が持つ自社のイメージをより鮮明にすることができます。

このように自社や自社製品に関する情報を積極的に公開していれば、こちらから営業をかけなくても、いずれは向こうから問い合わせをしてくれるようになります。また、実際に営業をする際にも、「弊社のブログはご存知ですか?」と問いかければ、自社への興味を顧客に促すことが可能です。大幅な営業の効率化につながります。

■「顧客の情報管理」を徹底しよう

営業でより多くの成果を出すためには、営業のアプローチや接触回数を多くすることと、質を高めることの2つのアプローチがあります。中小企業や営業部隊が小規模である場合は、回数を多くすることに限界があるため、質を高めることが重要です。そこで役に立つのが顧客の情報管理。組織内での情報共有と顧客分析の精度を向上させ、営業力の底上げを図ることができます。

顧客はどのような課題を持っているのか、顧客が自社製品を知った際にどのような反応をしたのか、といった情報を集めることができれば、顧客に対して最適な営業を行うことができるようになります。このような情報を集めるにはそれなりの時間と苦労が必要です。しかし、顧客に応じて営業方法を変えることができるので、回数を意識した営業よりも成約率は高くなるでしょう。事業や組織をスケールさせるのではなく、初めから質の高さで勝負するようであれば、「顧客の情報管理」を強化することは理にかなった戦略と言えるでしょう。

もし、情報管理に時間を割きたくない場合は、SFAやCRM等の顧客情報管理ツールの使用が便利です。情報管理が楽になるのはもちろんのこと、必要な顧客情報を、必要なときに見つけ出すことも可能です。また、顧客が自社製品を契約した日時や、使用頻度などを記録しておくと、営業するべき最適なタイミングを割り出すこともできます。無駄な営業の削減にも繋がります。

加えて、次に記載するステップにある「実践と改善」でも、SFAやCRMなどの仕組みが重要になります。改善をしようにも、データを定量的に分析したり、比較したりしなければ、有用な気付きは得られないからです。売上アップを目指すにあたっては、実際に行動した結果得られた情報を分析し、「限られた経営・営業リソースをどこに投下すればその効果が最大化するのか」、それを見極めることが重要なのです。

■「実践と改善」を繰り返そう

営業で成果を出すためには、とにかくまずはやってみること、そしてやってみた結果を踏まえたうえでどう改善すべきかを考えることです。せっかく素晴らしい営業手法を学んだとしても、実際に行動に移さなければ、営業成績が上がることはありません。また、実際に行動に移したとしても、最初からうまくいくことはまれです。それは、方法が悪いのではなく、十分に方法を活用できていないからです。世の中にまったく同じ状況を抱える会社は存在しません。つまり、自社に合わせて方法をアレンジしていく必要があるということです。そのため、実践したあとには、なぜ成果が出せなかったのかをしっかりと考え、改善しなければなりません。また、成果が出た場合も、なぜ成果が出たのかを考え、成功の秘けつを次にも生かせるようにすることが大切です。

実践と改善を繰り返すコツは、継続的に記録をすることです。どの顧客に対してどんなアプローチをするとどうなったか、といったことを営業が終わったあとに記録します。あとから見直すと、自分の営業を客観的に分析することができるので、改善点を発見しやすくなります。また、自分だけで分析するのではなく、記録を社内で見せ合って、お互いに批評し合うのも効果的です。

■情報を掛け合わせて、効果を最大化しよう!

営業を効率化するコツとして、顧客の情報管理、情報発信、実践と改善の3つを紹介しました。これらに共通するのは情報の活用です。情報は蓄積しているだけでは役に立ちません。しかし、使い方次第では大きな利益を生み出します。情報とうまく付き合って、営業の効率化を目指しましょう。

2019年6月3日

展示会に出展することで得られる成果は、失敗するケースと成功するケースの典型例を知ることで、大きく変えることができます。今回の記事では、<後編>として、展示会で成功を収めるための対策2・3についてご紹介します。

※以下の内容で前編をとして以下ブログ記事にまとめました。今回は後編と題して、以下の続きを掲載しています。

【前編の目次】
■【よくある勘違い1】展示会に出展すれば受注が生まれる
■【よくある勘違い2】色んな商材・サービスを紹介できた方が良い
■【よくある勘違い3】待っていれば、声がかけられる
■失敗しないための3つの対策
■[対策1]目標・KPIを設定する

展示会出展前に知っておくべきよくある3つの失敗と対策<前編>

■[対策2]ターゲットと強みを明確にする

あなたの会社の商材にとって最もWin-Winになれる顧客とは、どのような顧客でしょうか?以下の記事でも記載しましたが、まず、既存契約社を分析したうえで、理想の顧客像を定義することが、成功への近道です。

テレアポ効率はアプローチリストが7割を決める!

「理想の顧客」を定義したら、その顧客像を名刺交換するターゲットと決めます。

理想の顧客像から、名刺交換するターゲットを決める

「変化しにくい属性」とは、いわゆる「デモグラフィック変数」と一部の「サイコグラフィック変数」を交えた指標を指します。デモグラフィック変数とは、有償の企業情報リストなどでも得られる情報です。一方で、「立場(役職・職種)」や「抱えている課題」「類似サービスの導入状況」は、展示会会場で来場者とコミュニケーションを取る中で見えてくる情報です。そのため、どのような話の流れを組み立て、どのような切り口で質問すれば最適な回答が得られるか、事前に検討する必要があります。

これは、顧客が抱く「表層的なニーズ」と「深層ニーズ」の違いを意識する必要があることを意味しています。展示会のような限られた時間で、顧客のリアルな状況を聞き出すことは極めて難しく、聞き方によっては形式的な(時には実態とは少し異なる)回答しか得られないためです。

続いて、自社商品の「強み」を整理していきます。強みを明確にする上で「ニーズ」と「ウォンツ」を整理します。ニーズとウォンツには以下のような順番(ニーズの強度)があります。

ニーズ+ウォンツ>ニーズ>ウォンツ

基本的には、「なくてはならない」の方が、「あった方が良い」よりも強い意味を持つため、ニーズがある商品の方が購買に結びつきやすい傾向があります。ただし一般的には、ニーズを満たす商品はすでに開発されているものが多く、新しく開発する事が難しいケースが多いと言えます。そこで、キャッチコピー等、必要性(ニーズ)を感じさせる紹介方法を駆使し、「あった方が良い」を「なくてはならない」と感じさせることが重要になってくるのです。

また、ニーズを感じさせる強みを作る上で抑えておくべきポイントが以下の4つです。

ニーズを感じさせる強み作りのポイント
■他社より優れている点
■スピードや場所等の条件面
■商材の対象顧客層
 (対象が絞られている程強みとして捉えられる)
■価格での優位性

上記をふまえ、作った強みに対し、再度、以下を確認してみてください。

☑その強みは、本当に他社にもないか(特に自社より大企業)
☑その強みは、顧客が満足しているポイントと相違ないか
☑その強みは、競合が2年かかっても真似られないか

これらを通して、出展前に、自社商材の強みを一言で言えるようにしておくことが大事です。また、意外と見逃しがちな強みのポイントを以下に参考に記載しておきます。

☑「自社リソースで提供できる」は強み
例えば、自社にクリエーターがいないのに制作会社になる事はできません。自社の人材、資金、設備で提供可能なこと自体が強みとなる場合もあります。
☑付加価値自体が強み
サービスの品質や価格そのものでは、リソースや利益のある業界トップ企業に優位性があります。しかし、スピードやマイナー層特化、料金体系などで強みを見出すことができる場合もあります。
☑当たり前だと思っていることが強み
実は裏側ではある工夫がなされている、品質を保つコツがある等、当たり前に思っている事も強みに変わる事があります。改めて、組織体制、仕組み化、細部のこだわり等を見直すと新たな強みを作れることもあるかもしれません。

■[対策3]当日の準備と展示会後のフォロー計画をしっかり立てる(当日までの話)

まず、当日ですが、現場での名刺管理方法について考えておくべきです。

①名刺にメモをする
展示会では、短時間で大量の名刺交換をします。そして、開催後に名刺を見ても記憶が薄れてしまって会話やその人の特徴を忘れてしまっていることは、よくあることです。そこで、名刺に簡単なメモをできるようにしておくことがお勧めです。実際に、展示会出展企業の半分以上の営業マンがメモを記入しています。
名刺を一箇所で管理しつつ、瞬時にランク分けをする
当日複数名で名刺交換する場合は、名刺交換した自社担当が誰だったのか、どの顧客に開催後真っ先に連絡すべきなのかを把握できるように、右記のようなケースで一箇所にまとめて管理しておくとよいでしょう。

名刺メモイメージは、以下が記載されていると後から整理しやすくなるため、例え手間であっても、展示会会場で済ませるようにしたいものです。素早く書きたい場合はカタカナを使うなどしたほうが効率的ですが、基本的なマナーを踏まえ、顧客の目の前であからさまに記入するのは避けましょう。

☑誰が獲得したか
まず、自分の名前を記入しましょう。誰が獲得したか分かるようになる事と、重複して獲得した場合に、誰から連絡をした方が良いのか判断できます。
☑顧客ランク
開催後に、アプローチの優先順位をすぐに判断するために、顧客ランクを記入しておくことは効果的です。名刺交換時点では厳密には分からない事も多いので、感覚値でのニーズの大中小や、ターゲットのマッチ度合いの高中低、または事前に準備しておいた特定の質問項目に応じて振り分ける等がよいでしょう。
☑顧客の特徴
商談に繋がるケースを見込んで、名刺交換相手の外見特徴を記入しましょう。
(例:メガネ、スーツ、大きい、白い等)

■[対策3]当日の準備と展示会後のフォロー計画をしっかり立てる(開催後の話)

展示会開催後は、即座に必ず名刺をデータ化しましょう。名刺をデータ化しないと起きる問題が「営業プロセスの属人化」です。一度営業が属人化してしまうと、しっかりアプローチができているのかどうかも管理もしづらくなります。

名刺交換した人には、展示会後にメールや電話で後追いします。その際に名刺情報をExcelや名刺管理ツール等でデータ化しておかないと、取りこぼしが発生する可能性が高くなります。例えば、1回目の営業マンによるアプローチ時には興味が無くとも、1年後はニーズが発生するかもしれません。定期的に様々な手法で後追いできるように名刺をデータ化・管理しておくことで、展示会出展の成果を上げることができるのです。

展示会でリストを得た後は、タイミングを狙って定期的に接点を持ちましょう。何故ならば、顧客は「ニーズが顕在化」した時点で始めて、商品の購入検討を進めるためです。特に、ソフトウェアなどの購入・契約検討は、一度タイミングを逃すともう何年も先まで動きがないことも予想されます。だからこそ、小まめに接点を持つための工夫を施し、貴重な商談機会を逃さないように注意しましょう。ニーズが顕在化するタイミングを知るには、定期接触が必要不可欠と言えるのです。

加えて、名刺リストは、会社にとって貴重な財産です。個人で名刺をバラバラに管理していると、その人が退職した時点で、折角費用と時間をかけて獲得した名刺情報も活用できない状況になることが多いです。名刺情報、リストは会社の管理情報と位置付けて、会社で一元管理を行い、個人ではなく「会社として」アプローチできる状態にしておきましょう。

近年、様々な名刺管理アプリケーションが増えていますが、それらを活用して取り込んだ名刺情報をいかに営業プロセスへとつなげていくかは、新規開拓営業の重要なテーマになっています。

会社の資産化した名刺情報も、必要なシーンで活用できなければ、資産としての意味を持ちません。新規開拓営業ならば、アプローチしたい企業に過去に接点を持ったことがあるか、すぐさま判明するような仕組みが必要と言えるでしょう。例え名刺一枚でも、完全な新規アプローチか、既に氏名などを知っている状態からスタートできるかは、天地の差と言えるほど大きな意味を持つのです。

新規開拓営業における担当者名の有無の意味合いは、次の記事で解説していますので、ぜひ一度チェックしてみてください。

【テレアポ営業のコツ】受付窓口突破ができないときに知っておくべきこと

今回、前後編に分けてご紹介してきた展示会出展の失敗と成功から学ぶノウハウですが、まとめると、次の3つの対策が成果の有無を左右する大きなポイントになります。

[対策1]目標・KPIを設定する
[対策2]ターゲットと強みを明確にする
[対策3]当日の準備と展示会後のフォロー計画をしっかり立てる

目標やKPIを持たず、ターゲットの具体化やフォロー計画もないまま展示会に出展した企業は、多くの機会損失を出しながら営業プロセスを進めることになります。その一方で、上記3つの対策を行った企業は、随所で効率的なアプローチを実施することができ、展示会という環境を味方に付けて優位な営業シーンを実現することができます。

例えコミュニケーション可能な時間は短時間でも、新規顧客との新しい出会いが期待できる展示会。今回ご紹介した事例を参考に、成果に繋がる展示会出展手法にチャレンジしてみてください。

2019年5月27日

展示会・イベントが年々増える中で、私たちのお客様の中にも、展示会に出展することで新規接点を作ったり、認知促進をしたりしているお客様が多くいらっしゃいます。そこでは、展示会の成否に関して様々な声を耳にしますが、「失敗した」と感じている企業には共通する3つのポイントがあることがわかってきました。今回の記事では、その気付きから得られた示唆とその点に対する対策をまとめました。

■【よくある勘違い1】展示会に出展すれば受注が生まれる

とにかく「●件受注するぞ!」という受注目標だけ持ち、展示会に望んだご経験はありませんか?確かに展示会には多くの企業が来場しているものの、その目的やニーズは多種多様です。だからこそ、そこに戦略や仕掛けがなければ、何の成果も得られない可能性すらあるのです。

実際には、展示会でコンタクトを取ってから受注に至るまでの指標が明確化されていない企業が多く、そのような企業が展示会出展に関し、「失敗した」と感じている傾向があります。競合他社が複数社いる中で、自社商材をアピールするためには、緻密な計画が必要不可欠です。

「どうアプローチをするか?」よりも、まずは、「どのようなリストを」「どのくらい獲得するか」が重要です。ターゲットはいくつかに分類でき、いずれ自社の顧客となる可能性の高い潜在層のターゲットリストをどれだけ多く獲得できたか、というのも一つ重要な指標となります。

ここでの考え方の根底には、営業のパイプライン管理に似たものがあります。パイプライン管理とは、見込み客が受注に至るまでのステップをいくつかに分けて、関心度別に管理・アプローチを重ねる手法です。まだ関心が薄い層には、お役立ち資料の配布やセミナー参加を呼びかけ、既に検討に入っている層にはデモの案内や比較検討用の資料(導入事例や詳細資料など)をお渡しするなど、段階別に適切なアプローチを行うことが有効です。

■【よくある勘違い2】色んな商材・サービスを紹介できた方が良い

顧客の興味・課題に合わせ、マッチする商材を紹介することは理想ではありますが、実際、展示会当日は通常の商談よりも短い時間しかコミュニケーションの時間は取れません。その短時間の中で、来場者に対して、あなたの会社の「強み」を伝えきれるでしょうか?既に市場に浸透している特定の商品サービスを除き、短時間で「自社の強み」を伝えきることは困難を極めます。

あなたの会社の「強み」を来場者に短時間で認識してもらうためには、最も強みを発揮できる「ニーズ(needs)」と「ウォンツ(wants)」がある商材に絞り込みを行い、プレゼンテーションを実施することが効果的です。

ニーズとは、論理的な必然性を意味します。例えば、規制の変化に対応するために業務時間が長時間化していたり、働き方改革の機運が高まりを見せる中でも業務時間が削減できなかったりする中では、業務の自動化や業務フローの見直しは必要不可欠と言えるでしょう。このような課題を持った現場には「業務負荷を削減するニーズがある」と表現できます。

ウォンツとは、情理的な意味での必要性のことです。例えば、事業部のミッションを達成するために高い確率で効果を出してくれそうな顧客育成ソリューションがあるならば、部長クラスの方は喉から手が出るほど欲しいはずです。他にも、マーケターが情報システム部の力を借りずとも、データを自由自在に操ってデジタルマーケティングを実践できる優れたソリューションがあるならば、マーケティング部は何としてでも導入にこぎつけたいと思うでしょう。このような課題を持った現場には、「課題解決を熱望するウォンツがある」と言えるでしょう。

このような2つの観点のいずれも持ち合わせている商材については、「ニーズ(needs)」と「ウォンツ(wants)」の両方を持っているといえることから、展示会のように、限られた持ち時間で商品価値を訴求する必要がある場に最適なのです。ニーズとウォンツの両方を言語化し、商品価値を端的に説明できるように現場に落とし込むことが、短期間で成果を最大化するための鍵になります。

■【よくある勘違い3】待っていれば、声がかけられる

購入を検討する目的で来場している方は、約6人に1人程度の割合でしかありません。
それ以外の来場目的の方をいかに、自社ブースに呼び込むかという事を能動的に行う必要があります。

<参考>展示会・イベントへの来場目的について

すなわち、展示会の最大の目的は「見込み客の獲得」と言えるでしょう。これは、上記の調査結果の回答上位に位置している「新商品を探すため(33.5%)」「関連業界・製品の動向を知るため(33.1%)」「製品購入のための情報収集(18.3%)」という目的と、自社商品のプロモーション手法をいかにフィットさせるかが問われているといえます。来場者の目的を果たす形になるように、自社の商品プロモーションを行えばいいのです。

例えば、「新商品を探す」という目的で来場している方に対しては、「いかに自社商品に新しいトレンドが盛り込まれているか」を伝えて、トレンドの前線にある要素を押し出していくことが必要でしょう。「関連業界・製品の動向を知る」という目的で来場している方には、業界の動向をお伝えするためのコーナーや説明資料を用意すれば、足を止めて話を聞くためのきっかけになるかもしれません。「製品購入のための情報収集」という目的であれば、その製品が解決する課題や期待できる効果を展示パネルでわかりやすく伝える必要があるでしょう。

このように、来場者の目的に合ったコンテンツを提供し、まずは「自社に興味を持ってもらう(=見込み客になってもらう)」ためのきっかけを作ることに集中しましょう。その結果、自社商品に興味を持ってもらえたならば、商談の次のステップに進むための土壌が整うことになるのです。

■失敗しないための3つの対策

上記までの記載した内容は、展示会に臨む際の意識の違いによってもたらされる「事前準備の不足」が原因となって引き起こされるものです。それぞれに事象に対しては、次の対策を行えば展示会で成果につなげられる可能性が高くなります。

[対策1]目標・KPIを設定する
[対策2]ターゲットと強みを明確にする
[対策3]当日の準備と展示会後のフォロー計画をしっかり立てる

それぞれ具体的に見ていきましょう。

■[対策1]目標・KPIを設定する

まず、展示会のPDCAサイクルの定義を以下とします。

その中で、しっかりした目標達成計画がない状態というのは、「P」がない状態です。
おわかりのように「P」が無いと、「D」、「C」、「A」がないため、うまくきませんし、そもそもうまくいったのかどうかも正しい検証ができません。
まず初めは、「P」「D」「C」「A」の一連の要素を言語化し、営業チーム内で共有することから始めましょう。

では、PDCAを具体化することを前提とした上で、どのように目標を立てればよいのでしょうか?「目標の決め方」についてです。
基本的には、

①目標金額≧②受注総額ー③費用

で算出しますが、ここで②受注金額と③費用にどこまでの金額が含まれているかが計画性を上げる上で重要です。
例えば、受注総額は以下の金額も含んで算出します。

受注総額の算出方法
・合計受注額
・平均リピート発注額
 ※一度顧客になると、再発注する可能性があるので、その平均単価も含む
・アップセル、クロスセル受注金額
 ※今回出展する商品以外に商品がある場合、その商品が売れる確率も計算に含む

一方、費用については、出展費用だけではなく、以下も含んで算出します。

費用の算出方法
・出展費用
・展示会人件費(事前準備含む)
・営業人件費
 ※受注に至るまでかかる平均の人件費
・その他経費
 ※展示会装飾費用、名刺データ化費用等

以外と上記の顧客から生涯で受注できる金額(LTV)の視点と、費用に関しても展示会と装飾に関わる部分の人件費は見落としがちです。
この項目もしっかり計画に入れ試算する事で、厳密な計画が立てられます。

<まとめ>目標の決め方

目標が明確になったら、それをどうやって達成するかについて実行計画に落し込みます。

例えば、目標が以下と決まったとします。

目標事例
目標≧「50万円」-「45万円」

この「50万円」を細かく分解していきます。

プロセス計画に落とし込む①

ここから、さらに細かく分解します。

プロセス計画に落とし込む②

もう1段階、更に細かく分解します。

プロセス計画に落とし込む③

名刺まで落し込みが出来たら、次はこの名刺枚数を担当で割振ります。ここまで落とし込むのが重要です。

プロセス計画に落とし込む④

おそらく、ここまでするのは面倒だと感じた方は多いはずです。しかし、事前のプランニングをここまで行うことで始めて「目標を達成した時・しなかった時に “何が原因だったのか” を解析」できるのです。
例えば、あなたが展示会に出展し、以下のように受注社数と金額が未達だったとします。

結果の振り返り

この場合、可能性として、「受注率の見込みが甘かった」という事が原因だと仮定できます。改善点としては、「アポイントの質を上げる」、「提案力を向上させる」、などを今後実施すべきでしょう。つまり、展示会というイベント自体の効果がなかった、とは一概には言えないのです。原因が明確になることで、より精度の高い意思決定をすることができ、次の施策に向けた一手を打つことができます。

また、目標を設定すると、途中経過の時点でどれだけ目標に足りていないのか分かります。例えば、名刺獲得枚数が足り無さそうな場合、「人を増やす」、「配置を変更する」などの対策が立てられるのです。

今回は、「対策1:目標・KPIを設定する」についてご紹介しました。

次の記事では「対策2:ターゲットと強みを明確にする」「対策3:当日の準備と展示会後のフォロー計画をしっかり立てる」についてご紹介していきます。

2019年5月20日

中小・中堅企業の新規開拓営業では、シンプルな企業リストを頼りにテレアポを行っている営業マンもいれば、過去の名刺情報にテレアポをしている営業マンもいるはずです。最近は、営業マンではなくとも、社内にインサイドセールス(内勤営業)部隊を設置し、営業の効率化を図っている会社も増えてきています。いずれのケースでも、テレアポを行う際の共通の悩みといえば「受付突破が難しい」ということではないでしょうか?

今回は、企業リストを頼りにテレアポに取り組む新人営業マン、及び、インサイドセールスで、企業リストを育成中の内勤営業マンを部下に抱える新規営業マネージャー向けに、受付窓口(ゲートキーパー)突破がうまくできていない部下がいた時に知っておくべきポイントをいくつか紹介します。

■なぜ、受付窓口(ゲートキーパー)が突破できないのか

まず、「なぜ、受付窓口(ゲートキーパー)ができないのか」という疑問について、考えてみたいと思います。大前提として、
そもそも、「受付窓口(ゲートキーパー)には、8割拒否されるもの」です。当社内で担当者名がわからない企業リストにテレアポをしていたときには、受付突破率は20%前後でした。この前提を踏まえた上で、全体の2割以上の受付突破率を実現するか、に焦点を当てて考えてみたいと思います。

●受付窓口(ゲートキーパー)は、どういう時に拒否をするのか
●受付窓口(ゲートキーパー)は、どういう人ならば電話を繋ぐのか。

これらの点について、一つずつ考えていきましょう。

■受付窓口(ゲートキーパー)を理解する

当然といえば当然ですが、電話が掛かってきたときの受付窓口の仕事は、大きくわけて次の2つに大別されます。

①営業電話を拒否する仕事
②重要な電話を適した人に振り分ける仕事

これらのイメージを図解すると、以下のような形になります。

<イメージ>受付窓口(ゲートキーパー)が行う2つの仕事

では、どういう人からの電話を取り次ぐか。についても考えてみたいと思います。

受付窓口(ゲートキーパー)は、どういう人からの電話を取り次ぐか
①(自社の社員を)知っている人から電話がかかってきた場合
②よくわからない、自分で判断出来ないと感じた場合
③自社に質問、意見がある人から電話がかかってきた場合
④お客様(見込顧客)からかかってきた場合
etc

例えば、上記のようなケースが該当するのです。すなわち、この①〜④に対して、いかに「この電話は繋いだほうが良さそうだ」と思わせるかが重要です。それに合わせたトークを用意しましょう。一例を挙げると、次のような形になります。

①(自社の社員を)知っている人から電話がかかってきた場合
自社の社員を知っているということは、すなわち、「既存顧客かパートナー会社の可能性がある」ということを意味します。では、どうやってそのように思わせるべきでしょうか?ここでは、自分自身が実際に電話を取ったと仮定して考えてみましょう。

既存顧客から電話がかかってきた場合には、シンプルに「●●社の田中ですが、XX様いらっしゃいますか?」という話口調になっているはずです。このトーンに倣い、受付窓口(ゲートキーパー)の方には必要最小限の情報を伝えて「この人はどうやら既に担当者と繋がっている人だ」と認識してもらうことがポイントです。もちろん、「お世話になっております。」と述べてしまうと嘘になってしまうので、この一言はあまり望ましくありません。決して嘘ではなく、自然な形で受付窓口の方から担当者に繋いでもらいましょう。

そのための重要なポイントは、「担当者の氏名を知っているか?」という点になります。「マーケティングのご責任者様いらっしゃいますか?」と伝えた場合、受付窓口の方の警戒心を刺激してしまい「どのようなご用件でしょうか?」と切り返されてしまう可能性が高いのです。だからこそ、シンプルに「担当者の氏名を知っていること」が重要になるのです。

では、どのように調べるのかというと、「社名+肩書」などで調べる方法があります。この方法で検索エンジンを用いて調べると、企業によっては相手先企業の公開情報が数多く出てきます。そこでピックアップした情報をヒントにテレアポを行うことで、担当者の方に直接アプローチできます。

もちろん、ヒットした情報の用途によってはテレアポを行うには望ましくないケースも出てきます。その部分は、業界特性や対象部署の特性を踏まえて、個別に判断を加えていきましょう。例えアポイントを獲得しても、その結果、良好な取引関係を築けないようでは元も子もありません。あくまでも受付窓口の方から自然に担当者へ繋いでもらえるトーンを見出すことがポイントです。

②よくわからない、自分で判断出来ないと感じた場合
マーケティングやシステムに関わる商材の場合、日々新たなキーワードが出てきます。これらのキーワードを活用し、「専門的でよくわからないけど、担当者に繋いだほうが良さそうだ」と思わせる方法も有効です。攻めの一手を探している企業であれば、新たなトレンドやソリューションへの関心も高いはずですので、有益な情報が含まれていると認識されれば、窓口突破を図れる可能性を向上させることができます。

この手法の注意点としては、専門用語を交えすぎてあたかも窓口担当の方を煙に巻こうとしている姿勢が出てしまうことです。そのため、あまり多くの専門用語を多用せず、決め手となるキーワード一つに絞ってトークスクリプトを組み立てることが大切です。

③自社に質問、意見がある人から電話がかかってきた場合
企業へ直接電話をしてくる方の中には、自社のセミナー案内などを見て、質問や意見を伝える目的の方もいらっしゃいます。この点を逆手に取り、「●●についてお伺いしたいことがありまして~」と切り出す方法もあります。「お伺いしたい」というキーワードは広く応用が利く言葉です。ニーズの有無をお伺いする、検討の余地があるかお伺いする、など、セールスシーンでも活用されている言葉だからです。このキーワードをうまく使いつつ、受付窓口の方から担当者へと繋いでもらうためのトークスクリプトを組み立てていきましょう。

注意点としては、顧客からの問い合わせだと誤解されないように気を付けることです。もしも担当者が会議中や外出中であった場合には、受付窓口の方から「お客様からの問い合わせがあり…」と伝達されてしまう可能性もあります。だからこそ、あからさまに顧客からの問い合わせを装うスクリプトは避けるように注意しましょう。

④お客様(見込顧客)からかかってきた場合
このシーンは、上記の「③自社に質問、意見がある人から電話がかかってきた場合」と極めて似ていますが、例えば、webサイトやパンフレットを見て商品サービスに興味を持った場合を意味します。アポイント獲得を狙う部署にもよりますが、普段多くの問い合わせが入る企業の場合には顧客からの問い合わせと誤解されるケースが多いため、注意が必要です。逆に、普段顧客からの問い合わせが入らないであろう部署の場合には、有効な施策と言えるかもしれません。

■窓口突破しやすい声がある

また、今まで述べた部分以外でも、電話をかけるときの「声」も重要と考えています。

どういう声かというと、具体的には「トーン」という表現に近いのですが、「既存のお取引企業の担当者と電話をするときのトーン・声量」です。実際、テレアポをするときは、申し訳ない気持ちが先行してか、実際、トーンと声量が下がっている新規営業マンがほとんどです。これは受電相手からしても自信がないのはすぐに見抜かれますので、受付で一刀両断される可能性があがります。

実際、テレアポを行う前に、「既存のお取引企業の担当者と電話をするときのトーン・声量」に近づけるために、直前に既存のお客様へ連絡をする(勿論要件がしっかりあってのことです)、自身が思っているよりも、トーン・声量をあげる、ということを意識してほしいと思います。

2019年5月13日

テレアポを得意としている組織とそうでない組織には、あらゆる面で根本的な違い(差異)が生まれてきます。その違いとは、アプローチの違いや管理の違いなど様々。その中でも特に大きな違いを生み出す要因が「リスト管理の方法」です。

テレアポを中心とした新規開拓営業を行う組織でも、「リスト管理を積極的に行っていない」、もしくは「リスト管理という概念自体が存在しない」というケースは多く存在します。短期的に見れば、リスト管理を行わなくても営業成果は出せるかもしれません。しかし、中長期的な視点から考えたときには、リスト管理を行わないことで営業現場に様々な”歪(ひずみ)”が生まれてくるのです。

今回は、リスト管理を行わないことで生じるリスクと、リスト管理の具体的な手法をご紹介します。

■「リスト管理」という概念がない営業現場では何が起きているか

テレアポ営業を経験したことがある方は、次のいずれかのケースを目の当たりにしたことがあるはず。これらはいずれも、リスト管理が不十分であったり、そもそもリスト管理を行っていなかったりしていることが原因で発生している事象ばかりです。

Case1:営業担当の退職に伴う機会損失
営業担当のAさんが見積書提出まで進んでいた案件があったが、Aさんの急な退職により、その営業進捗履歴やコミュニケーションを図っていた相手先の担当者情報が一切社内に残っておらず、企業の基本情報だけがあるリストのみ引き継い営業担当Bさんが代表電話番号から、テレアポを行い、窓口突破を図ろうとしている。

Case2:アプローチの重複に伴う機会損失
営業担当のCさんがテレアポを行い、アポイントを頂いた企業へ、数時間後、営業担当のDさんが同一企業へテレアポを行ってしまい、アポイントを頂いた企業の担当者から、「さっき別の方からお電話を頂き、お約束したのですが。共有されていないのですか?御社は信用できません!さっきのアポイントも無かった事にしてください!」という反応があり、アポイントが消滅してしまう。

Case3:アプローチの属人化と効率性低下
営業担当毎に得意だと思っている業界を各自がリストアップし、手当たり次第にテレアポしているため、共通性の低いトーク上では共有すべきことがほとんどないと考えてしまい、ノウハウの蓄積がなされないため、トークスクリプトの改善がなかなか進まない。

このような状況が続くと、アポイント率がリストに対し1〜3%という低水準になり、「テレアポがきつい、もうかけたくない」という理由で極端にネガティブな印象へと繋がります。そして、その営業担当者に他の業務への需要がなく、異動という選択肢をとれない企業では、退職を余儀なくされてしまうのです。

そのような状態を防ぐためにテレアポ効率をあげなければならないとした場合に、最初に着手しなければならないのが「リスト」の部分といえます。

■リスト管理を行うメリット

先ほどご紹介したケーススタディとは対照的に、リスト管理を行うことで次のメリットが得られます。

メリット①:営業進捗の共有とアプローチ効率化
適切なリスト管理を行うことで、営業担当者の営業進捗が「見える化」され、他の担当者との共有・引継ぎも容易になります。例えば、営業担当者が急に退職することになっても、既存顧客のみならず、商談化している見込み客や、見込み度の高い企業(ホットリード)も連絡先とセットで引き継ぐことができるのです。きちんとした情報管理が行われていれば、「この企業は顧客との接点を大切にしている会社だな」という印象を与えることができ、その後の営業アプローチもスムーズに進めることができるはずです。

メリット②:営業アプローチの重複解消
「リスト管理は個々の営業担当者に任せ、バラバラにExcel管理をしている」という企業を見かけることが多々ありますが、アプローチ先が絞り込まれてくるころには連絡先の重複も見られるようになり、トラブルも発生しやすくなります。特に、新規開拓営業では、見込み客との関係性が十分に出来上がっていないため、些細なミスでアポイントが解消されてしまうことも少なくありません。そこで、リスト管理を一元化して重複アプローチを回避することで、トラブルの発生を未然に防ぐことができます。あらゆる業界で国内市場の拡大が停滞している今、貴重なリストを有効活用できるようにする工夫は欠かせないといえるでしょう。

メリット③:アプローチ方法の標準化と効率性向上
リストを管理するときのステップは以下の3つです。

Step1:各営業担当が保有している見込み顧客と取引顧客情報を一纏めにする
Step2:理想の顧客像を設定する
Step3:アプローチの優先順位付けをする

それでは、Step毎に詳しく記載をしていきます。

【Step1:各営業担当が保有している見込み顧客と取引顧客情報を一纏めにする】
見込み客情報について、多くの企業は各営業担当が独自に保有しているケースが多いです。それらを全て一元化します。この際、件数が多くない場合には、Excelなどの管理からのスタートで問題ないと思いますが、件数が多くなってくるとExcelでは、動作が重くなってしまったり、重複企業が発生してしまったりします。こうなると一元化をしたとしても、営業効率が落ちてくるため、そのタイミングでSFAツールなどを検討する方法がベストです。

また、以外と見落としがちな手法は、過去の取引企業をアプローチリストとする方法です。こういった情報は多くの企業で会計ソフトなどに取引企業情報は纏まっているため、これらも営業のアプローチリストとして、一元化をします。一度取引を行っている企業は自社に対して一定の信頼を抱いているため、完全な新規アポイントよりもスムーズに話を進められる可能性が高くなります。既存の取引先から営業を進める手法はABM(アカウント・ベースド・マネジメント)とも近しいものがあり、アップセルやクロスセルを狙うケースにも似ています。

いずれの場合にしても、既存顧客をリストに加える場合には、現在の営業担当者との連携や、過去のやり取りの記録などを重視し、一貫性のあるコミュニケーションを進めていく必要があるでしょう。

【 Step2:理想の顧客像を設定する】
理想の顧客像を設定する際のポイントは、「自社の商材にとってWin-Winになれる顧客」を見つける事です。

現在の取引企業を洗い出し、以下の図の<変化しにくい属性>(青色項目)を付与していき、平均取引継続期間から利益効率が高い企業をみつける事です。その企業群は、取引継続機関が長く、利益効率が良い場合、成功事例も多く、この事例はトークスクリプトを作成する際に有効な材料になってきます。

【Step3:アプローチの優先順位付けをする】
理想の顧客を設定したら、その企業群の中で、取引先、過去取引先、過去訪問先、未訪問先などの軸を追加し、顧客ランク(受注できる確度)を設定していきます。
一般的に考えて、受注できる確率が高いのは、発注実績がある企業です。つまり、取引に至っているや、過去に取引に至っている企業は発注に至った信頼度もあるため、受注しやすい傾向にあります。逆に低い企業群に関しては、まず接点を作っていく事が重要ですが、作業ベースのアプローチになるため、テレアポ業務の外部委託やアルバイト採用をし、テレアポを実施することを検討しても良いかもしれません。

このように、リスト管理の手法と考え方一つとっても、中には数多くの視点が入ってきます。新規開拓営業の出だしでは数を追うアプローチになりがちですが、アプローチが進むに従って質が求められることになります。その中では、アクションの優先順位と重要度が徐々に変わってくるため、その戦略立案と意思決定にエネルギーを費やすことが望ましいといえるでしょう。

効率的な新規開拓を進めるためにも、全プロセスを営業マン個々人の判断に任せてはいけません。組織として管理すべき部分と、営業マン個々の能力に任せる部分、この2つを精緻に判断してこそ、営業課題の解決が見えてきます。リスト管理を始めとする営業手法を学び、効果的な営業アプローチのあり方を探っていきましょう。

2019年5月8日

テレアポはリスト7割、タイミング2割、スキル1割

マーケティング&セールスのデジタル化が進む昨今でも、事業の拡大を目指すにあたっては欠かせない「テレアポ」。その成果を上げるためには何が重要なのでしょうか?ずばり、テレアポのトークスキル自体は重要な要素ではありません。
今回は、弊社で検証されてきたノウハウを盛り込み、テレアポにおいて欠かせない考え方をご紹介します。



テレアポはリスト7割、タイミング2割、スキル1割

多くの営業マネージャーが勘違いしていることは、テレアポ効率をあげるために「トークスクリプトが最重要だ」という点です。トークスクリプトに作成や確認に多大なる時間をかけることは、成果に直結するように見えて、実は非効率な行為なのです。前述の通り、トークスクリプトはそこまでテレアポ効率をあげるために、重要ではありません。テレアポの成否に営業を及ぼす因子としては、7割がリストの量と質、そして2割をタイミングが占めているのです。

■アプローチリストの選定がテレアポ効率の7割を決める

以前のブログでリスト管理について記事を書きました。こちらを参考にしていただければリストの重要性がわかるはずです。

【テレアポのコツ】テレアポ効率はアプローチリストが7割を決める!

【テレアポのコツ】テレアポ効率はアプローチリストが7割を決める!

■忘れられない定期接触によるタイミングキャッチが2割を決める

日本に多い階層型が主流の組織における商談〜受注までのリードタイムは、「6ヶ月〜18ヶ月」と言われており、購入検討の期間が非常に長いといえます。そのため、広義の意味でのタイミングを図る施策が求められます。一方、当社内での数字で言えば、テレアポにおける留守率(留守数/架電数)は40〜50%程度発生しています。つまり決定権を持っている、または近い人ほど多忙で、テレアポでは捕まりにくいです。そのため、この留守率を下げる取り組みが必要になるのです。まず、広義の意味でのタイミング施策を考える上で、見込み顧客のニーズの変化を見ていきます。

このように顧客が商品を検討するタイミングは様々であり、急に検討タイミングが訪れる場合もあります。そのため、メールや電話、DMなど何かしらで必ず、最低月1回は接触を図る事をおすすめします。継続的に接点を作り、自社が何者かを認識してもらうことで、テレアポの成功率は着実に高まります。

また、狭義の意味でのタイミングとしては、留守率を下げる取り組みが必要です。留守率を下げるために行うポイントは、必ず「次回つながる日付と時間帯」を押さえることです(例えば、当社ではここを自社開発のシステムでアラート通知できるようにしています)。ただ機械的にルーティンのコールを行うのではなく、最適なタイミングに再コールを行うことで、アプローチ先の企業にとっても対応する理由のあるコールになっていくのです。

このように、「リスト」と「タイミング」という2軸に注力し、戦略的にアプローチすることこそが、テレアポ効率を高める上で、重要なのです。

■テレアポトークスキルはたった1割でしかない

次はスキルについてです。スキルについてですが、商談スキルと違い、顔が見えない相手とのやり取りが中心になる中で以下にアポイントにつなげるかという点で考えてみます。この時、参考にするのが、「メラビアンの法則」(アルバート・メラビアンが1971年に提唱)と呼ばれる、「人の印象は最初の3〜5秒で決まる」という概念です。メラビアンの法則では、印象を決定付ける情報源として、容姿が55%、声38%、内容7%と言われています。
ただし、テレアポ中は印象の半分以上を決定づける「容姿」がわかりません。そうした場合、次に割合が多い情報源である「声」から、電話の話し相手は私たちの印象を決めようとするのです。

前述の通り、トークの内容よりも、「声」の質やトーンで相手の聞く姿勢は変わってきます。
・話すスピードが相手に合っているか
・声の大きさが相手に好印象を与えているか (元気がないように思われていないか)

など改めて意識してみるとアポイントの獲得率が変わってくるかもしれません。

最後にスキルのうち、トークについて記載をします。

トークを考える上で、主に「窓口を突破するため」、「担当者からアポイントを取得するため」の2つにわけて考える必要があります。

まず、窓口(電話を受けた方)を突破する上で、窓口の方の業務理解をしておくべきです。電話窓口の方の仕事は何でしょうか。ここでは、次に二つがあると仮定します。

<電話窓口の方の仕事>
①営業電話を拒否する仕事(重要度が低い、または不要な電話を繋がない)
②重要な電話を適切な人に振り分ける仕事(重要な電話を円滑に対象者へ繋ぐ)

このように考えると、「②重要な電話を適切な人に振り分ける仕事」を電話窓口の方に行ってもらえれば良いのです。
更に、②の仕事をしてもらうために目指すべきケースは、以下の4つです。

1.自社の社員を知っている人からの電話が掛かってきた場合
2.よくわからない、自分では判断できないと感じた場合
3.自社に質問、意見がある人から電話が掛かってきた場合
4.お客様から掛かってきた場合

いずれにしても、「この電話は担当者(責任者)に繋ぐ必要がある(繋がざるを得ない)」と思ってもらえれば、窓口突破の可能性は格段に上昇します。

その他、窓口突破に関する事については、以下のブログも参考にしてください。

テレアポ必需品!窓口突破トーク5選

次に、担当者の特性理解について考えてみましょう。

担当者は「部長以上」と「課長以下」でアプローチ方法を変えるのが得策です。その際、主に以下を意識したトーク作りをしましょう。

<部長以上>
・効果、実績数字が大事
・他社事例や競合事例に興味がある
・冒頭の20秒が興味を引く鍵
・まずは「結論」ありき

<課長以下>
・数字も大事だが、現場よりの課題の話が興味を持っている
・比較的すぐに使える情報が大事である
・なるべく質問を投げかけると話をしてくれる傾向がある
・「情報交換しませんか」という切り口でアポイントがとれる場合が多い

部長以上のクラスになると、商品サービスや事業部自体の売上に対して責任を負っていることがほとんどです。だからこそ、「同業他社はどのように成功を収めているのか?」「導入することによって、本当に売上向上やコスト削減に繋がるのか?」といった観点から情報を求めています。同時に、1日の多くの時間を会議に要することが多く、多くの利害関係者との調整を行うミッションも多いため、基本的に多忙です。だからこそ、「結論から」「端的に」話を進めることが求められています。

課長以下のクラスに関しては、部長から与えられたミッションの実現に注力しているケースがほとんどであるため、現場で発生している問題の解決に関心を持っています。加えて、コンセプトや理論ではなく、「具体的、かつすぐに実践できること」に価値が置かれるケースが多い傾向にあります。情報収集段階でも、課長以下のクラスのほうが比較的多くの情報を提供してくれる機会があるため、狙い目といえます。

また、役職だけではなく、ニーズの具体度によっても、トーク内容を変えるのが必要です。一方的な売り込みだと捉えられないように、診断(ヒアリング)する前に、処方(提案)を行わないように心がけましょう。

<ニーズの顕在層>
・問題、課題の深掘りをする
・クローズドクエスチョンを中心に、具体的で定量的な情報を引き出す
・自身だけでなく、他者や他部門へどのような影響を与えるか連想させる質問をする

<ニーズの潜在層>
・ヒアリングに徹し、現状を把握する
・オープンクエスチョンを軸に、できるだけ相手に話させることを意識する
・先方が抱えている現状への不満を聞き出す
・接触数を増やす

ニーズが顕在化(具体化)している段階では、解決すべき問題がある程度見えているため、論理的にヒアリングを組み立てることができるでしょう。一方で、ニーズがまだ潜在化している段階では、あまり具体的な質問をしてしまうと、あたかも取り調べのようになってしまうため、注意が必要です。また、信頼関係が不十分な状態では「具体的なことはお話しできませんが・・・」という具合に、なかなか本音で語ってもらえないこともしばしばあります。だからこそ、初期段階では「相手に話してもらうこと」を念頭に、傾聴の姿勢を示して、信頼関係を築くことも重要です。

テレアポのスキルに関しては、細かいテクニックはまだまだ多くあります。より具体的な戦術やノウハウを必要とされている企業様は、ぜひ一度、弊社発行のホワイトペーパー(お役立ち資料)をダウンロードしてみてください。

2018年10月26日

各社の営業課題として「新規開拓」が真っ先に上がるほど、顧客獲得のハードルは高まりつつあります。
そのような中、テレアポや飛び込み営業と比較して効率性の高い「メール営業」を好む営業マンは多いのではないでしょうか?

しかし、顧客からの信頼獲得が必須と言える営業シーンにおいて、「特定電子メール法」の知識は必要不可欠でしょう。今回は、法律の中身に触れつつ、メール営業を行う上で知っておくべきポイントについてご紹介します。

■メール営業に関して「よくある誤解」

メール営業では、テレアポのように“あからさまに断られるシーン”が少ないことから、テレアポや飛び込み営業と比べて心理的な負担はあまり大きくありません。一方で、そこに思わぬ落とし穴が潜んでいることは見落とされがちです。例えば、メール営業については次のような誤解がなされているようです。

誤解① きちんと名前を名乗り、署名を付ければ問題ない

「きちんと名を名乗れば問題ないだろう…」という認識は、ずばり誤り。なぜならば、メールを送る場合にはその相手との「関係性」と「メールアドレスの取得元」が重要だからです。例えWebサイト上にメールアドレスが掲載されていても「営業メールはご遠慮ください」などと書いてある場合には、送付はNG。法に触れることになるため注意が必要です。

誤解② リスト販売会社から購入したリストであればメールを送ってよい

効率的なメール営業を行う上ために「ターゲット企業のリスト」は欠かせません。リスト販売会社から特定の企業リストを購入している会社も少なくないはずです。「お金を出して買ったリストなのだから、こちらから営業メールを送っても構わないのでは?」と考える方も多いと思いますが、これは実はNG。後にご紹介するオプトイン(事前にユーザーの同意)がなければ、営業メールを送ってはいけません。

■罰金もあり得る「特定電子メール法」とは?

2008年に「オプトイン規制」が盛り込まれ、業界でも話題になった「特定電子メール法」。2002年に初めて法律が成立して以来、徐々に適用範囲が広げられてきました。

最大のポイントは、広告宣伝に関わるメールは「原則としてあらかじめ同意した者に対してのみ」認められるというもの(オプトイン方式)。スマートフォンが普及する現在、eメールのみならず、SMS(ショートメッセージサービス)も対象に含まれています。

この法律に準拠しなかった場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられるため、十分な注意が必要です(受信拒否者への送信や表示義務違反を行った場合)。

このような前提の元、営業やマーケティングに携わるならば、次の3つのポイントは最低限押さえておく必要があります。

■必ずチェックしたい3つのポイント

各項目を記録・管理することは目的ではなく手段です。だからこそ、前述のように「次回のアクション」に繋げていく必要があります。

ここで一つ意識したいことは、「受注確度」と「次回アクション」についてです。自社と見込み客は、常に一対一の関係になっているとは限らず、競合他社や見込み客社内の関係者など、複数のプレイヤーが存在しています。意思決定や導入を急いでいれば急に受注確度が上がることもあります。逆に、競合他社の台頭によって受注確度が下がることもあるのです。

つまり、各案件の結果はタイミング次第で大きく異なるということ。「受注確度」と「次回アクション」を軸に据えて、今後のアクションプランを設計することで、重要な機会を逃すことなく営業アプローチを行うことができます。

①予め同意を得た者以外には、営業メールを送ってはいけない

「特定電子メール法」では、営業(広告宣伝)メールを送ってよい相手は、あくまでも「予め同意を得た者のみ」とされています。例えば、お問い合わせフォームからの問い合わせや、会員登録時に「弊社からのメール配信を希望する」といった同意(許諾)を得るためのチェック欄を設けておき、それにチェックを入れてもらうという形です。

ただし、ここには例外があります。次の場合には、同意なしに営業メールを送ることが可能です。

・既に取引関係(名刺交換をした人も含む)にある者に送信する場合
・何らかの手段で電子メールアドレスを通知している場合
・事務連絡や料金の通知などに関わる電子メール
・非営利団体が送信する電子メール

なお、Webサイト上などにメールアドレスが掲載されていた場合であっても、「広告宣伝メールを送信しないように求める文面」が書かれていた場合には、許諾無しにメールを送ることはできないとされています。

②同意を得た場合、その証を記録しておかなければならない

同意(許諾)を得ることができた場合、その内容は「該当するメールアドレス」「取得時期」と合わせて記録しておく必要があります。そして、この記録は広告宣伝メールを送らないとした日から「1ヶ月間が経過するまで」の間は保存しておく必要があります。

③必要事項の表示義務を果たさなければならない

営業メールを送る際には、内容の判別がつきやすいように次の内容を記載する必要があります。

・送信責任者の氏名
・オプトアウト(許諾の解除)の手順や連絡先

また、メールではなく、メールに記載したリンク先での記載でもよいとされている内容に、以下の項目があります。

送信責任者の住所
・問い合わせを受け付ける電子メールアドレス
(電話番号の表示は推奨事項)

■デキる営業マンが実践しているテクニック

「特定電子メール法」では、営業メールを送る際の必須事項が細かく定められていますが、これらはいわばMUST事項。デキる営業マンは、これらの内容を踏まえた上で、新規顧客と信頼を築くために様々な工夫を施しています。

例えば、「相手から共感を得ること」。営業メールを受信する側の目線で考えると、一日に何通ものメールを処理しており、そこに何通もの営業メールが送られてくる…という状況が想定されます。そのような方々にメールを送る以上、「貴社を理解しています(理解する努力をしています)」というスタンスが文面に表れていることは必須条件と言えるでしょう。

加えて、「相手に役立つ情報(メリット)を提示すること」も欠かせません。意外なほどに自社の商品・サービスの説明に終始している営業メールは多いものです。まずは「その商品を売りたい」という気持ちを押さえ、相手が興味を持つ情報をシンプルに伝えましょう。

■ターゲットに応じた営業施策の立案が肝

営業メールは一度準備すれば、2通目以降はコピー&ペーストで出来上がります。しかし、量産したメールの文面は簡単に見透かされてしまうもの。効果を最大化するためには、自社にとって重要度の高いターゲットに送るメールの文面はある程度カスタマイズが必要でしょう。

ターゲットに応じて、「どうすれば共感を得られるか」「何が相手に役立つのか」という基礎調査を行った上で、最適な施策展開をしていきたいものです。

参照資料:総務省「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」