テレアポとインサイドセールスの違いは?それぞれの特徴を理解する。
2018年8月20日
テレマーケティングや飛び込み営業での顧客獲得が難しくなっている昨今、多くの企業が成果につながる手法を模索しています。そのような中、営業チームとは別に「インサイドセールス」専門の部隊を設ける企業が増えています。「インサイドセールス」とは、一体どのような役割を担うのでしょうか?
今回は、従来型のテレアポとインサイドセールスの違いを比較し、その特徴について見ていきたいと思います。
目次
そもそもインサイドセールスとは何か?
「インサイドセールス」とは、“見込み客の元に直接訪問することなく、電話やメールなどの手段を用いて非対面で行う営業活動”を指します。これに対して、従来型の訪問営業は「フィールドセールス」と呼ばれます。
フィールドセールスの場合、テレアポや飛び込み営業で新たな接点を作り、見込み客の元に訪問するところから営業行為が始まります。その点、インサイドセールスの場合には、過去に問い合わせや展示会などで接点を持った企業に対して、営業活動を行うことが特徴です。
インサイドセールスの発祥はアメリカで、その広大な国土を移動することなく効率的に顧客開拓・売上向上を狙えることから広く普及していきました。高額な商品であっても訪問営業を行わずに契約に至るケースもあり、この点は日本国内のインサイドセールスとは若干異なっています。
今回は、日本国内で行われているインサイドセールスを中心にご紹介します。
3つの特徴から見る「テレアポとインサイドセールスの違い」
インサイドセールスの特徴を正確に掴むために、フィールドセールスの出発点である「テレアポ」と比較してみましょう。
① 第一目的は「契約獲得」か「関係構築」か
テレアポは、まだ接点を持っていない企業に対して、電話で商談のアポイントを取り付けるところから始まります。そして、その先に設定する目的が「契約や注文の獲得」です。だからこそ、短期的に受注に繋がらない企業の優先順位は必然的に低くなります。
一方、インサイドセールスは「顧客との関係構築」が目的です。過去に失注になった見込み客も含めて、関係性の構築・維持・強化を行い、新たな商談機会の創出を目指します。
②「一人」で完結するか、「複数名」で応対するか
テレアポは、アポイントの獲得から顧客訪問、契約獲得までを一人で完結するケースがほとんどです。その点、インサイドセールスは役割分担を行うため、「複数名」で取り組む点が異なります。
インサイドセールスの担当者が見込み客との関係構築を行い、確度が一定以上に高まった段階でフィールドセールスの担当者に顧客を引き継ぐ、という流れが一般的です。
③受注確度の低い見込み客にアプローチできるか
見込み客側から見たときに、テレアポは「商品を売り込まれる」というイメージが生まれがちです。そのため、受注確度が低い企業に関しては、あまり商談機会が得られません。
しかし、インサイドセールスは見込み客の課題解決に役立つ情報を提供するなどして、受注確度が低い企業に対してもアプローチすることができます。
インサイドセールスのメリットは何か
見込み客のオフィスに訪問せずに行うインサイドセールスには、様々なメリットがあります。今回は、それらのメリットを5つに絞ってご紹介します。
①効率的にセールスできる
見込み客の確度に応じてアプローチできるため、無駄を削り効率的にアプローチできます。
②高速PDCAサイクルを回せる
訪問営業と比べて、より多くの見込み客と接点を持てるため、営業ノウハウを蓄積できます。
③受注確度の低い顧客にアプローチできる
前述の通り、まだ商品に関心が薄い見込み客にもアプローチできます。
④セールスの流れを標準化できる
見込み客の関心度合いや状態を細分化し、対応策を型化して準備できます。
⑤交通費を削減できる
無駄な顧客訪問が減らせるため、無駄な交通費を抑制することができます。
インサイドセールスの成果を最大化するには?
多くのメリットが存在するインサイドセールスですが、この手法が普及する背景には、営業ツール(テクノロジー)の進化や組織課題の変化(人材不足)など様々な要因が挙げられます。しかしながら、十分にツールを使いこなせなかったり、組織体制が整っていなかったりすることで、その成果が半減してしまうケースも散見されます。
インサイドセールスの成果を最大化するためには、組織内の連携強化が欠かせません。まずは、営業ツールを活用して、見込み客が抱える課題意識や受注確度を”見える化”しましょう。その上で、どの段階でフィールドセールス部隊に見込み客をパスするのか、その基準を明確化して共有しましょう。
一度で最適な基準が設けられない場合には、定期的に基準を議論・調整し、組織内での認識がブレないようにすることが重要です。
成功の秘訣は「アクションを効率化する仕組みづくり」
インサイドセールスを成功させるには「適切なツールの活用」と「インサイド/フィールド営業の役割分担」の2つが欠かせません。前述した連携強化をしようとしても、インサイドセールスに適切なツールを導入していなければ、効率的に営業アクションを起こせません。また、営業チーム間での情報共有も、インサイドセールスの思想が反映されていないツールでは、十分に行うことも難しいでしょう。
インサイドセールスを成功に導くためにも、きちんとアクションに繋げることができる仕組みを整備し、営業プロセスの効率化・売上の最大化を目指しましょう。